■  西原 さや香 / nishihara sayaka

福岡県大牟田市出身|京都市在住
多摩美術大学 美術学部 情報デザイン学科卒業

大学卒業後、京都への移住を機に制作活動から離れる。
約10年のブランクを経て、2019年作家活動を再開。

近年は「フラワー」と「質量」の二つのテーマを軸に、
“もののあはれ”を表現することを目指している。

■ outline

“もののあはれ”は、江戸時代後期の国学者、
本居宣長(1730-1801)が提唱した概念で、物事の儚さや切なさ、
そしてその美しさを感じ取る日本独特の感性を指します。


「花(フラワー)」と「花器」

花の持つ意味合いや美しさは、ヒトの心の変化や複雑さと、相互に通じ合う点が幾つもあります。
この要素に着目し、花(フラワー)をモチーフとして、自身の感じる人間性を絵画で表現しています。

花をいける為のうつわである花器は、単に花を生かし支えるだけでなく、
その形や材質によって、花の美しさを引き立てます。
このような花と花器との関係性は、人同士の交流や受容の姿を
象徴しているかのようで、非常に興味深く面白いモチーフと感じ得ています。

そして「花を人に見立てた表現」には、わたし自身の人との対面や交流に対する恐れやためらい、
人を直接的に描くことへの心理的な障壁という、個人的な経験に根ざしています。

花を通じて、私は人の中身を探求し、
同時に自身の内なる「もつれ」や緊張を誤魔化したり、よいものへと変形させようともがいているのです。



アクリル絵の具が持つ豊かな色彩、質感、透明感に加えて偶然性と必然性が交錯する
筆のストロークを活かし、存在の重みを再確認/探求しながら制作しています。
これが「質量」というもう一つのテーマにつながります。

自身の作品を通じて、鑑賞者の心に”もののあはれ”のかすかな心の揺らぎが生まれ、
そして鑑賞者自身の内なる思いや経験と静かに共鳴する瞬間があるかもしれない。

そんな小さな期待や可能性も胸に秘めながら、日日制作と向き合っています。

主な経歴

2024/04/09-21@京都ちいさいおうち 『山本冬彦選抜展』
2024/04/01-07@銀座中央ギャラリー 『10×10版画展』
2023/10/30-11/4@銀座中央ギャラリー 西原さや香 個展 『只中フラワー』
2023/07/01-30@渋谷代々木 shelter KUKO cafe&gallery 4人展 『EACH・LIGHT』
2022/12/06-10@東京日本橋 RECTO VERSO GALLERY Graphic Art exhibition
~クリエイティブ表現の現在~
2022/07/18-30@盛岡 彩画堂S-SPACE 第8回F0公募展「ミニアチュールzero2022」メーカー賞受賞
2021/01/05-10@中央銀座ギャラリー 企画展「ハガキサイズ展」
2007/07/9-14@Gallery銀座フォレスト 西原さや香 個展「何トハ ナクテ」
2006/10/16-21@Gallery銀座フォレスト 二人展「日頃の行い」
2005/02/26-03/13@TOKYO WONDER SITE「WONDER SEEDS」入選
2004/11/06-21@せんだいメディアテーク「ART ANNUAL2004」